カテゴリー: アパレル, ファッションステイトメント

20世紀初め、シャツブラウスを扱う最大手メーカーの1つ、トライアングル・ウェイスト・カンパニー(※「ウェイスト」は「ブラウス」を意味します)のニューヨークの縫製工場で火災が発生し、146人もの女性従業員が焼死しました。ちなみにこの事故がきっかけとなり、職場におけるスプリンクラーの設置や非常口を無施錠にする法律が定められたそう。今年はこの事故から100年目にあたります。
ところで、読者の皆さんは"シャツブラウス"が正確にはどんな洋服かご存じですか。シャツブラウスとは、仕立てのシャツと脚がほんの少し見える長さのスカートが組み合わさったワンピースのことで、後年、スカート丈は短くなっていきました。日本では主に"シャツワンピース"と呼ばれています。工場での悲惨な火災を発端として、このスタイルは女性労働者の労働環境の改善や自由を求めるシンボルとなり、さらに数十年後には公民権運動の象徴にもなりました。
近年、シャツブラウスの形状は、デザイナーのダイアン・フォン・ファステンバーグにより、「shirtdress(シャツドレス)」と認識されています。これは、彼女がシャツブラウスのシルエットを踏襲しつつ、着物のように前を打ち合わせるラップドレスを"発明"したことに由来しています。また、あのイヴ・サンローランはシャツブラウスにカーキ色や大ぶりなボタンを用いたサファリテイストを生み出しました。
そして現在、アメリカ生まれのシャツブラウスは、国内外のファッションシーンに史上最も大きな影響を与えているといっていいでしょう。ポール&ジョーやシャネルといった有名ブランドでも花柄や50年代をモチーフにしたデザインを発表しており、女優のニコール・キッドマンやキルステン・ダンストが公の場にシャツブラウスで登場する姿もキャッチされています。
カジュアルで機能的、そしてシンプルながらエレガントさもあるシャツブラウスは、時代を超えて永遠に愛されるアイテムですね。
"シャツブラウス"、その歴史と不朽の魅力とは? 元記事 Luxist Japan on Wed, 27 Apr 2011 00:30:00 EST. 見てください、私達の フィード使用用語集.