カテゴリー: オークション
アメリカ西部開拓時代の悪名高い無法者、ビリー・ザ・キッドをご存知でしょうか。彼はウィリアム・H・ボニー、ヘンリー・アントリウム、ヘンリー・・マカーティなど、複数の名で知られており、アメリカでは無法者の殺人者であると共に、民衆の英雄としても語り継がれてきた伝説的な存在です。
そんなビリーの肖像写真が、6月25日にデンバーでブライアン・ラベル氏主宰の Old West Show and Auctionで競売にかけられることになりました。これは、1879年後期、または1880年前半にニューメキシコ州で撮影されたわずか4枚の写真のうち、唯一現存するもので、1800年代半ばにアメリカで開発された鉄板写真法(鉄板の表面に黒の塗装を施して陽画をつくる技法)が用いられているとか。穏やかな表情をした青白い目の若者が腰に弾丸を巻きつけ猟銃を手にしているこの写真が"正真正銘、ビリー・ザ・キッドの姿である"と言われており、30万ドルから40万ドル(約2,500万円~3,300万円)の値がつくと予測されています。ちなみに、ビリーの仲間の一人であったダン・デドリックの家族がこれまで家宝の1つとして保管してきたのだそうです。
この写真が一般に公開されたのは一度だけ。1980年代半ばニューメキシコ州の博物館Lincoln County heritage Trust Museumで3年間展示されたことがあり、当時は公開によって写真にダメージが生じてしまったとの噂も流れました。しかし、地元の新聞『Santa Fe New Mexican』によると、実物はナイトロジェンを含ませた封筒に入れられ、厳重に保管されていたため、ダメージは無いと、オークション主宰のラベル氏が証言しているとか。博物館に寄付されても良さそうな一品ですが、アメリカの伝説的英雄の貴重な写真となれば、喉から手がでるほど欲しがるコレクターがいることも確かです。
政治関連の話題を扱うオンラインサイトの『Politics Daily』によると、1879年当時、ニューメキシコ州の知事であったウォレス氏が逮捕されたビリーに対し、彼が目撃した殺人現場について証言することと引き換えにビリーに恩赦を与える予定だったが、結局恩赦は与えられなかったと報じています。これを受け、ニューメキシコ州の現知事ビル・リチャードソン氏は、当時のことを調べ、死後130年後の恩赦を検討していました。しかし、2010年末に現知事は、ウォレス氏が恩赦を撤回した理由が不確かであるため、今後もウォレス氏の決定を尊重し、ビリーの恩赦を認めないとの見解を表明しています。一方、1881年にビリーを射殺した保安官パット・ギャレットの子孫は「ビリーはただの殺人者で、保安官の行為が過ちであったような誤解が生じてはならない」として、これまでずっと恩赦に反対してきたということです。
オークションの行方が注目されそうですね。
伝説のアウトロー、ビリー・ザ・キッドの貴重な肖像写真がオークションへ 元記事 Luxist Japan on Tue, 22 Feb 2011 00:10:00 EST. 見てください、私達の フィード使用用語集.