カテゴリー: ファッションステイトメント
ジェームズ・フランコは本業の映画俳優のみならず、テレビ俳優、作家、画家など幅広く活躍していることで知られています。彼はニューヨーク大学で映画制作の修士号を取得したほか、現在は名門イェール大学で博士課程に在籍しているとか。そんな彼が、今度はファッションフォトグラファーに挑戦しました。ジェームズは2001年にアメリカで放送されたジェームズ・ディーンの伝記テレビ映画『ディーン(原題Dean)』で主役を演じたことから、映画『理由なき反抗』をテーマにシリーズで写真撮影を行っているそう。そこで今回は、ファッション誌『ELLE』の7月号に掲載されたアギネス・ディーン、Natalia Bonifacci、Imogen Pootsといったモデルを捉えた写真を、3人の専門家に手加減なしで批評してもらいました。
スティーブン・フレイリー氏(ニューヨークにある4年制私立美術大学スクール・オブ・ヴィジュアル・アーツの写真学部長)
「ジェームズの写真からは、確かに彼の熱意が伝わってくるが、オリジナリティが欠けている。スタイル的にもストーリー的にも、どこかで見たことのあるような作品だ。彼に必要なのは、より複雑な物語性と、モデルが"理由なき反抗"のキャラクターをもっと表現することだと思う。1つ褒めるとすれば、彼は世間の人々が見慣れたイメージを、かなりうまい具合にしっかり再現しているところ。しかし、彼の個性、つまり彼の"声"が聞こえてくるような写真ではないのが残念だ」。
エイミー・ウォレストン氏(美術評論家)
「ファッション写真の目的はただ1つ、商品を売ることです。ですから、ファッション写真を批評する時には作品の好き嫌いではなく、どれだけ売り上げに貢献できる写真かで判断するのが適切でしょう。そういう意味では、ジェームズの写真はとてもいいですね。特に彼がジェームズ・ディーンのイメージを、中性的な女性モデルに投影しているところは評価します。しかし、彼の撮る写真は、ファッションフォトグラファーが本質的に陥りやすい"罠"にかかっているように思えます。どれほどカリスマ的なモデルであったとしても、彼女たちはあくまでもデザイナーの作品を映し出すスクリーンなのです。女性に男性の格好をさせただけでは、一流の作品にはなり得ません。とはいえジェームズがジェンダーやセクシュアリティを超越し、例えばメロドラマやパフォーマンスアート的な手法を用いてさまざまな表現を試みているのは面白いですね。彼の知識や想像力をアートに昇華させているのが素晴らしいと思います。また、このプロジェクトを1度限りでなく、継続していることも評価できます」。
Astrid Stawiarz氏(『ニューヨーク・ポスト』紙などに寄稿している写真家)
「ジェームズの撮った写真から、"理由なき反抗"は感じられないね。この映画といえば、私がイメージするのはグリフィス天文台やチキンレースのシーン。ともかく、アギネス・ディーンを起用したのは正解だ。特にいいのは白黒写真の1番目と5番目のショット。革ジャンを着た彼女は、まるでジェームズ・ディーンみたいに見える。カラー写真が一部ピンボケなのが気になるが、それが躍動感を表しているとも言える。彼の強みは間違いなく白黒写真だね。ただ、気になるのは、ライティングの甘さやどんなカメラを使っていたのかということ。まるで学生が撮った写真みたいだからね」。
さて、あなたならジェームズの写真にどんな批評を下しますか?
イケメン俳優、ジェームズ・フランコ撮影のファッションフォトに業界のプロから批判の声 元記事 Luxist Japan on Mon, 20 Jun 2011 00:20:00 EST. 見てください、私達の フィード使用用語集.